あんなカオされて、放っておけるか。











好きなオンナがいる。
ある日かっつんが連れてきた、能力者のオンナ。
すっごい可愛くて、本当ヒトメボレだった。
今そいつはオレらの仲間なんだけど、どうにも周囲と距離を置いてる気がする。
それが気になって、しょっちゅう話しかけるんだけど…。

ー!一緒にお菓子食おっ!」
「いらない」

…いっつもこんな調子。
オレ、キラわれてんのかな?
でもモリヲやカノンと仲良くしてるのも見かけないしなぁ。
もう少しフレンドリーでもいいと思うんだけど。

ベッドに腰掛けるの隣に座る。
は眉を顰めてそっぽを向いてしまった。
肩に手を回そうと伸ばした手は、に触れる前に叩き落されて。

「オレ、と仲良くしたいなぁー」
「あたしはしたくない」
「なんで?仲間なのに」
「仲間だなんて言うなッ!!」

が叫ぶ。
さすがに少し驚いてしまった。
普段、がこんなに感情を露にすることはないから。

「そんなに怒らなくても…」
「仲間なんかいらない…! あたしはひとりで構わない、今までも――これからも!!」
「…?」

その姿は、水に溺れた子猫が喘ぐ様子にも似ていた。
助けて欲しいのに助けを求められない、悲壮さ。
だからオレは、腹が立たなかった。
むしろ逆に――助けてやりたいと、思って。

。オレはのこと好きだよ」
「黙れ黙れ黙れ!もう限界だ! お前たちなんかに付き合っていられるか!!」

立ち上がろうとするの腕を掴む。
こんなを、放って置けるわけがない。

「放せ、由良!!」
「どこに行くって言うんだよ?」
「どこでも構わない! どうせ――」

の声は、少し泣きそうな声だった。

「どこに行ったって、あたしが一人っきりなのは変わらない!!」

怒りに顔を歪めながら、その表情はどこか悲しげで。
その顔を見た瞬間、オレの中で何かが弾けた。

掴んだ腕を引っ張り細い肩を抱き寄せ、唇を合わせる。
の舌にオレのそれを絡めると、の身体が軽く震えた。
唇を離しては角度を変えて、何度となく口付ける。
唾液同士が混ざり合う水音と、唇の間から漏れる呼吸音だけが部屋に響く。

やがての身体は、自身を支える力を失い後ろに倒れこんで。
自然、オレが押し倒しているような形になる。
それでも構わず、オレはの唇を貪り続けた。

「由、良…っ」

もう何度目か分からない口付けのあと、掠れた声でがオレの名を呼ぶ。
潤んだ瞳からは涙が零れていた。
その涙を舌で掬い取る。

「…ゴメン。嫌だった、よな?でも、があんなこと言うから…」
「あんな、こと?」
「一人だなんて、言うから。オレは絶対、をひとりになんかしないのに」
「…由良」
が、好きなんだ」

そう言ってもう一度軽いキスを落とす。
は抵抗しなかった。

「だから、が欲しい」

微かに頷く
オレは嬉しくなって、に深く口付けた。











ひとりじゃないと感じられるまで、何度でも触れるから。

だから。



















04.独りだなんて思わないで。















fin




atogaki
 20000HIT記念フリー夢小説。
 髏津鬼様リクエストの由良夢〜。
 裏逝き寸止め。風海はコレが限界さッ(ダメやん
 濃厚なキスシーン書くとそこで力尽きてしまうとです…。
 …つーかリクモノで裏系はフツーにダメだろうがよ、俺。
 お持ち帰りは自由ですが、サイト掲載の際にはご一報あれ( ´ω`)ノ