ある朝目が覚めると、

目の前に知ってるけど知らない人の顔がありました。




















ぱられる・ぱられる




















「お、起きた」
「…………………………――――――――――…………………………!?!?!?!?!?」

―――ちょ、ちょ、ちょっと待って!?
何で目を開けたら目の前の超至近距離に男のヒトの顔があるの!!?
ってか、マジで近ッ!!息かかるっつか睫毛触れるっつか唇が触れそ…っ!!!

「ぅわぁぁぁぁぁっ!!!!!」

目の前の男を思いっきり突き飛ばす。
な、何で朝っぱらからこんなことに…!?

「ってー…起きたばっかなのに元気だなァ、
「黙れっ!!大体アンタいったい誰――…って、…あれ?」

この男に、見覚えがある。ような気がする。
しかもつい最近、昨日の夜ぐらいに見たような気が。
目をごしごしとこする。
………まさか、そんな。

「―――――……………ゆ、由良……………匠……………?」
「ん?オレがどうかした?」

…くらくらする。
一体全体どういうことデスか、コレは。
誰か嘘だと言ってくれ…ふざけてるにも程がある。

「由良?は起きたのか?」
「お、モリヲ。起こした早々に吹っ飛ばされてさー」
「どうせまたロクでもないことしたんだろ…」
「何だよ、ソレー!」

新しく現れた青年も、やっぱりどっかで見たことある人物で。
――…森尾、健一郎。
『由良』がモリヲと呼んでいたから、ほぼ間違いない。

勘弁してください。
本当、ワケわかんないにも程があるんですが。
だって目の前にいる人は2人とも昨日読んだ漫画に出てきてたキャラで。





…どーしてあたしが【アライブ 最終進化的少年】の世界にいるんですか―――――!!!??





痛くなってきた頭を抱える。
全く、どうしてこんなことになってしまったのか。

「…?どうした?具合でも悪いのか?」
「あー、うー、…ちょっと、ね…」

優しく尋ねてくる森尾。
その優しさが身に染みると同時に、…痛い…。

「…えーと…ゴメン、2人とも…。何か頭痛いから、もうちょい…寝る…」
「おいおい、、大丈夫かよー?風邪でもひいたかぁ?」
「分かった、勝又さんには言っておくから…。無理はするなよ、
「うん…ありがと」

勝又のおっさんもしっかり存在してくれちゃっているらしい。
…えらい聞きたくないことを聞いた気が…。
でもとりあえず今は考えないようにして、寝ることにする。
コレが夢ならば、眠って起きたら覚めているはずだ。
ごそごそと布団に潜りこんで目を閉じる。

「あ、
「ん?」

呼ばれて布団から顔を出す。
次の瞬間、
…デコに、森尾の唇が。

「―――――っっっ!!!??」
「あ―――!なにやってんだよモリヲ!」

唇が離れて、眼前には森尾の笑顔。
顔に熱が集中する。
今絶対茹でダコみたいに真っ赤になってるんだろう。
あまりにいきなりで、声も出ない。
驚きすぎて指一本も動かせない。

「…早く治るおまじない、ってことで」
「モリヲ、カッコつけしーだなー」
「五月蝿い。行くぞ」
「ん、ちょっと待って」

…ちゅ。
今度は左頬に、由良の唇が。
顔はもうこれ以上ないくらいに赤くなっているはずだ。
もう頭の中はパニック状態。
何で見知らぬ世界で【アライブ】の人気悪役2人にこんなことされてるんだ!?

「ゆ、由良っ!!」
「モリヲだってやったじゃん、『おまじない』」
「…う…」
「抜け駆け禁止ー。さ、行こーぜ」
「あ、あぁ。じゃあ、ゆっくり休めよ」

そう言って2人は出て行った。





「――休めるかよっ…」



さっき触れた唇の感触を思い出して、目が覚めてもこの世界にいることを確信するのだった。




















fin




atogaki
 パラレル設定トリップ系逆ハーアライブ夢。
 よくあるパターンをほとんどないジャンルでやってみました(笑
 アライブ夢なんて見たことねぇもんな…(遠い目
 ちなみに続きます(ぇ

 追記:続かなかった。